漫画家を目指すための絵の練習法!挫折しないためのステップを解説

こんにちは、メディカルアーティストの松本脩佑です!
「漫画家になりたいけれど自分の絵に自信がなく、どうやって練習していけばいいかわからない」と悩んでいませんか?

プロの漫画家のような魅力的な絵を描くためには、イラストとは異なる「漫画特有の練習法」が必要です。
この記事では、完全な初心者が独学でプロの画力へ近づくための実践的な練習ステップを詳しく解説します。

最後まで読めば、効率的な練習メニューと挫折しないためのマインドが分かり、今日から迷わず練習を始めていけるようになります。

この章でわかること
・漫画家とイラストレーターに求められる「絵の力」の決定的な違い
・漫画だからこそ必要とされる独自の作画能力と知識

漫画家に必要な「絵の力」とは?イラストレーターとの違い

漫画家を目指して絵の練習を始める前に、まずは「漫画家に必要な絵の力」を正しく理解しておきましょう。
実は、漫画家に求められる画力は、一枚の美しい絵を仕上げるイラストレーターの画力とは大きく異なります。

絵1枚の美しさではなく「連続する動きやポーズ」を描く力

イラストレーターは「最高の一瞬」を切り取って一枚の絵を作り上げます。
一方で漫画家は、キャラクターの「連続する動きやポーズ」を何コマも描き続けなければなりません。

そのため、完璧に整った綺麗な絵を1枚描く力よりも、多少線が荒くても「キャラクターが生き生きと動いているように見せる力」、つまりダイナミクスが重要になります。
さまざまな角度からキャラクターの身体やポーズを破綻なく描けるようになることが、漫画家の絵の練習における第一歩であるといえます。

後述している練習法の、模写やクロッキーをこなしていくことで徐々に自然なポーズが描けるようになります。

キャラクターを引き立てる「背景やパース(遠近法)」の知識

漫画はキャラクターだけでなく、その人物が「どこで何をしているか」という空間を伝える必要があります。
そこで不可欠になるのが、背景を描くための「パース(遠近法)」の知識です。

パースの基本を押さえておかなければ、キャラクターと背景が浮いて違和感が目立ってしまい、読者が物語に没頭できなくなってしまいます。
高度な風景画を描ける必要はありませんが、室内や街並みを自然な立体感で描くための基礎知識は必ず身につけておきましょう。

パースについて詳しく解説した本もありますので、それらを読んで勉強しながら実践していくのもいいと思います。

私は学生の時↓の本を持っており、これを読みながらパースについて勉強していました。

超入門マンガパースと背景の描き方の教科書: これなら描ける! (マンガの教科書シリーズ) | 中村 仁聴 |本 | 通販 | Amazon

漫画を描くことを前提にパースについて解説してくれているので、当時漫画を描いていた私からするととっつきやすく、ストレスなく読めたのでおすすめです。

松本脩佑

私が学生の頃漫画を描き始めた時、複雑なポーズや構図への苦手意識が強く、顔や上半身をアップで描いたコマが多い漫画になりがちでした(これを『顔漫画』というそうです)。一呼吸おいて読み返すと、ワンパターンの構図で大胆さに欠け、思ったよりもイマイチな仕上がりで落胆した記憶があります。

表現したいストーリーの魅力を演出するためには、たとえ描いたことがなくても資料を集めてダイナミックな構図や表現に挑戦したりすることが漫画上達への近道だと思います。

まとめ
・漫画家には、綺麗な1枚絵よりもキャラクターを動かす連続的な作画力が求められる
・物語の空間を自然に伝えるために、基礎的な背景・パースの知識が必須となる

【画力爆上げ】漫画家を目指す初心者がやるべき練習法4ステップ

この章でわかること
・初心者が最短で漫画の画力を高めるための具体的な4つの練習ステップ
・各練習メニューの正しいやり方と意識すべきポイント

ここからは、完全な初心者が漫画家としての画力を劇的に引き上げるための具体的な練習法を3ステップで紹介します。
何から始めればいいか分からない方は、まずこの順番通りに手を動かしてみてください。

ステップ1:好きな漫画のコマを丸ごと再現する「模写」

最初のステップは、自分が好きな漫画のコマをそのまま真似して描く「模写」です。
キャラクターの顔だけでなく、髪の毛の線一本、背景の描き込み、さらにはコマの枠線まで全て再現してみましょう。

プロの漫画家が「なぜここにこの線を引いたのか」「どうやって立体感を表現しているのか」を考えながら描いていくことで、新たな学びを得ることができます。
ただ眺めるだけでは気づけない、プロの細かな技術や工夫をダイレクトに吸収できる非常に効果的な練習法です。

模写については、初心者の頃はもちろん中級~上級者になっても有効な練習法だと思います。同じ一枚の絵を見るにしても、初心者と経験者では見る角度や視点、得られる気づきが全く変わってきます。私も気に入った絵があれば今でも模写することがあります。模写によって線の引き方や構図など新たな発見があるものなので、練習に組み込むことをおすすめします。

ステップ2:立体感や細部を意識して描く「デッサン」

次は、対象の立体感や細部を意識して描く「デッサン」です。
緊迫感やインパクトを強く表現したいコマでは、描き込みを多くして他のコマとのメリハリをつけることがよくあります。「写実的な表現がなくても漫画は描けるじゃないか」と考えている方もいますが、表現の幅を広げるためには避けて通れないと私は思います。

立体感を表現するためには遠近感や光のコントラストなど様々な技法がありますので、練習しながら少しずつ身に着けていってほしいと思います。

ステップ3:様々なポーズを瞬時に捉える「30秒・1分クロッキー」

次は、短い制限時間の中で対象のポーズを素早く描き写す「クロッキー」です。
30秒や1分という短い時間で描くため、細かい部分にこだわらずに全体のバランスや動きの流れ(動線)を一瞬で掴む訓練になります。

これを繰り返すことで、脳内にある「キャラクターの動かし方」の引き出しが爆発的に増えていきます。
最初は線がガタガタになっても問題ないので、とにかく数多くのポーズを描くことを意識してください。

私が絵を描き始めて間もないころ、一番効果があったと感じたのはクロッキーです。初心者は、細部に気を取られるあまり全体のバランスが崩れてしまうことがよくあります。さまざまな構図のシルエットやバランスを意識して描き写すことで、絵全体のバランスが崩れることなく描けるようになります。

ステップ4:感情や状況を線の強弱で表現する「ペン入れの練習」

最後のステップは、下書きの上からインクで主線を清書する「ペン入れ」の練習です。

普通のイラストで使われることはあまり多くありませんが、マンガではつけペン(Gペン・丸ペンななど)がよく使われるのが特徴的だと言えます。
デジタルでもアナログでも、漫画の印象は「線の強弱(メリハリ)」によって大きく変わります。

楽しい場面では軽やかな線、怒りや緊迫した場面では力強く太い線など、感情や状況を線だけで緩急をつけて表現できるように意識しましょう。
思い通りの強弱で美しい線を一発で引けるようになるまで、何度も繰り返し線を引く練習を行ってください。

松本脩佑
ペン入れは、使いこなせるようになるまで練習が必要です。描き始めた頃は私も筆圧のコントロールに苦労しましたが、使い慣れると筆圧で線の太さを描き分けることができるのでとても便利です。ペン入れは漫画を描くには必須の技術なので、少しずつ慣れていってほしいと思います。
まとめ
・模写でプロの技術やコマ全体の構成力を五感で吸収する
・デッサンの練習で細部や立体感を出すための描き込みを練習する
・クロッキーを重ねて、キャラクターの動的なポーズの引き出しを増やす
・線の強弱をコントロールするペン入れを極め、絵に感情を宿らせる

【効率アップ】漫画の画力を鍛えるおすすめ練習メニュー一覧表

この章でわかること
・これまでに紹介した練習メニューの目的と、期待できる具体的な効果の一覧

これまでにご紹介した練習メニューを、より効率的に日々のルーティンへ組み込めるよう一覧表にまとめました。
自分の今の弱点に合わせて、どの練習に重点を置くべきかの参考にしてください。

慣れていない方は、取り組みやすい練習法から始めてみるのがいいと思います。
ある程度練習に慣れてきたら、他の練習法に取り組む時間を少しずつ増やしていくと無理なく練習を続けられるはずです。(好きな絵の模写を2時間程度から始めてみる→慣れてきたら、模写を1時間しつつクロッキーやペン入れを各30分程度から取り入れてみる、という感じです)

アナログで始める方はコピー紙と鉛筆から始めてもいいでしょう。慣れたらつけペンや原稿用紙など本格的に使い始めるといいと思います。デジタルの方ならイラストソフトやタブレットなど作業環境を整えれば、すぐにでも練習を始めることができます。

練習メニュー 主な目的・鍛えられる能力 初心者が意識すべきポイント
模写 プロの技術吸収・コマ全体の構成力 細かなところまで省略せずできるだけ再現する
デッサン 細部や立体感を意識した描き込み どのように描き込めば絵としての説得力が増すか
クロッキー ポーズ全体のシルエット・バランス感覚 細部に囚われず、全体の動きの流れを一瞬で掴む
ペン入れ練習 線の強弱コントロール・感情の表現力 強弱をメリハリをつけて描き分ける
まとめ
・それぞれの練習メニューには異なる目的があるため、バランスよく組み合わせることが大切

絵の練習法については私の書いたこちらの記事でも詳しく解説していますので、興味のある方はこちらもぜひご覧ください。

【初心者向け】絵の練習法3ステップ!独学で上達するコツを解説!!

絵の練習が形になってきたら、次はネームやコマ割りをしつつ1本の漫画へ仕上げていきます。

絵の練習で行き詰まった漫画家志望者が陥る3つの注意点

この章でわかること
・多くの初心者が陥りがちな、上達を妨げる間違った練習の方向性
・スランプや行き詰まりを感じたときにチェックすべき3つのポイント

毎日一生懸命に絵の練習をしていても、やり方を間違えると成長が止まってしまうことがあります。
もし「最近、絵が上手くならないな」と行き詰まりを感じたら、次の3つの注意点に陥っていないか確認してみましょう。

1. 正面顔や得意なポーズ(手癖)ばかり描いて苦手なアングルを避ける

初心者に最も多いのが、自分の描きやすい「正面の顔」や「得意なポーズ」ばかりを繰り返し描いてしまうパターンです。
これを「手癖(てぐせ)で描く」と呼び、どれだけ枚数を重ねても新しい画力は身につきません。

漫画を描くためには、アオリ(下から見上げる)やフカン(上から見下ろす)、苦手な「手」や「後ろ姿」も避けては通れません。
練習のときこそ、あえて「自分が一番描きたくない苦手なアングル」に進んで挑戦する癖をつけましょう。

得意な絵ばかりを描いて満足していると、いざ漫画のストーリーを描くときにコマがすべて似たようなアングルになってしまい、単調な作品になってしまいます。

2. 資料を見ずに自分の脳内イメージだけで背景や小物を描こうとする

「これくらいなら見なくても描けるだろう」と、資料を確認せずに自分の脳内イメージだけで描くことも上達を妨げる原因です。
人間の記憶は曖昧なため、資料を見ずに描いた背景や小物は、どうしてもリアリティに欠けた不自然な形になってしまいます。

プロの漫画家であっても、銃や車、日常的な家具を描くときは必ず膨大な資料を手元に置いて確認しながら作画しています。
「描けないものは資料を見る」のではなく、「描けると思うものこそ資料を徹底的に見る」という姿勢を忘れないでください。

3. 画力の低さを言い訳にしていつまでも作品を完成させない

「もっと絵が上手くなってから漫画を描こう」と考え、いつまでも1本の作品を完成させないのは非常に危険です。
実は、絵の練習だけを繰り返すよりも、拙い絵であっても「1本の漫画を最後まで描き切る」ほうが何倍も画力は向上します。

ストーリーの流れの中で絵を描くことで、初めて「自分の絵に何が足りないのか」という本当の課題が見えてくるからです。
画力の低さを言い訳にして練習ばかりに逃げるのではなく、今の実力で描ける最高の作品をまずは1作完成させましょう。

松本脩佑
私も、ついつい資料集めを面倒がって手癖で絵を描いてしまうことがありました。資料を見ないと自分が間違っていることに気付かず、正確ではない絵を正しいと勘違いしたまま描き続けてしまうことがあります。背伸びしすぎずに、少しでも自信がない絵は資料を見ながら描くことを意識してください。

私は学生のころ、他校の美術部との交流会でデッサンが間違っている絵を堂々と見せてしまい恥をかいたことがあるので、自分の絵はデッサンが狂っていないかを資料を用いて確認する癖がつきました。

まとめ
・手癖に頼らず、あえて苦手なポーズやアングルから逃げずに練習する
・脳内のイメージだけで描こうとせず、あらゆる物品や背景の資料を徹底的に見る
・練習だけで満足せず、今の画力のまま短い漫画でも良いので必ず完成させる

プロへの道!編集者の厳しい批評から画力を成長させるメンタル術

この章でわかること
・持ち込みや投稿で編集者から受ける厳しい意見を、画力向上に繋げるための心の持ち方
・批判に心折れず、プロの漫画家になるためのメンタルを育てるコツ

絵の練習を重ねて漫画を描き上げると、いよいよ出版社への持ち込みやWEB投稿というステップに進むことになります。
その際、プロの編集者から「絵が古い」「デッサンが狂っている」など、厳しい批評を受けることはよくあります。

厳しく言われると「自分には才能がないのではないか」と落ち込んでしまうかもしれませんが、決して人格を否定されているわけではありません。
編集者はあなたの作品をより良くし、プロとして通用するレベルに引き上げるための「具体的な改善点」を教えてくれているのです。

厳しい批評を受けたときこそ、指摘された部分を次の絵の練習メニューに組み込んで見返すつもりで圧倒的な成長の糧にしていきましょう。
批判を「攻撃」と捉えるのではなく、最短ルートでプロになるための「貴重なアドバイス」と受け止めるメンタルを持つことが、プロへの道を切り拓きます。

私は20歳の時、自分の描いた漫画の持ち込みをするため初めて東京の出版社へ行きましたが、「初対面の人間にここまで言うか?」と感じるほどの厳しい言葉をもらいました。「読者に対してのエンターテイメントであるという意識がない」、「私ならこの作品の最初の3ページで読むのをやめる」など、色々でした。

少しは自信があったので、それを完膚なきまで叩きのめされた私は失意のうちに地元へ帰りました。俺に漫画を描くのは向いてないのかな、などと悩んだ時期もありました。

しかし大学の同級生に「自分の漫画を最後まで描き切れるなんですごい!」と言われて、最後まで作品を描きあげられただけでも立派だ、と考え気持ちを立て直した記憶があります。

(今はSNSで晒されるリスクを意識してか、あまり過激なことを言う編集者は少なくなってきているようです)

まとめ
・編集者からの厳しい意見は人格否定ではなく、プロになるための貴重な改善点の提示
・指摘された弱点を次の練習メニューに即座に反映し、圧倒的な成長のバネにする

漫画家の絵の練習に関するよくある質問(FAQ)

この章でわかること
・漫画家を目指す初心者が練習を始める際に抱きやすい、代表的な疑問への回答

最後に見出し構成案に沿って、初心者の段階で誰もが迷いがちな3つの疑問について回答します。

Q. デジタルとアナログ、どちらで練習を始めるべきですか?

A. 最終的に自分が作品を発表したい環境(主流はデジタル)で練習を始めるのが最も効率的です。
現在は商業漫画の現場もデジタル作画が主流になっています。

ただし、ペンのコントロールや基礎的な手の動かし方を学ぶという意味では、アナログのクロッキー帳と鉛筆から始めても全く問題ありません。
初期費用を抑えたい場合はアナログから始め、本格的に漫画を描く段階でタブレット等のデジタル環境へ移行するルートがおすすめです。

Q. キャラクターは描けるけれど背景が苦手です。どうすればいいですか?

A. 写真をトレース(なぞり描き)する練習や、簡単な箱(立方体)をパースに合わせて並べる基礎練習から始めましょう。
背景をいきなり細かく描こうとすると挫折します。

まずは自分が撮影した部屋の写真などの上に新規レイヤーを重ね、線をなぞることで「空間の奥行きがどう表現されているか」を体感してください。
また、デジタルイラストソフトで3D素材などを活用して構図を決め、それを元に描き起こすデジタルならではのテクニックを練習するのも効果的です。

Q. 何歳から練習を始めても漫画家になれますか?

A. 年齢は一切関係ありません。正しい練習法と圧倒的な熱量があれば、何歳からでもプロを目指せます。
実際に成人してから、あるいは社会人を経験した後に初めて本格的な絵の練習を始め、プロデビューを果たした漫画家は数多く存在します。

重要なのは「早く始めたか」ではなく、「今からどれだけ正しい方向性で描き続けられるか」です。
「もう遅いかもしれない」と言い訳を探す時間を、絵の練習時間に変えていきましょう。

かくいう私も絵を始めたのは19歳の時です。当時は素人同然の絵でしたが、練習を積み重ねて今の画力を手に入れました。適切な練習法で時間を割けば、少しずつでもうまくなっていきます。焦らずにコツコツと、楽しみながら絵を描いていくことができれば理想だと思います。

まとめ|拙くても描き切った先にプロの画力が見えてくる!

この記事の総まとめ
・漫画家に必要なのは、1枚の美しさではなく「キャラクターを生き生きと動かす力」
・「完全模写」「短時間クロッキー」「ペン入れ」の3ステップで基礎を徹底的に叩き込む
・苦手なアングルや資料の確認から逃げず、必ず作品を最後まで完成させる

漫画家になるための絵の練習は、決して短期間で終わるものではなく、長距離走のような地道な努力の積み重ねです。
最初からプロのように上手く描ける人はおらず、誰でも下手な絵を描いていた時期があります。

たとえ今の絵が拙くても、自分の弱点から逃げずに練習を続け、1本の漫画を最後まで描き切った先にこそ、プロとして通用する本物の画力が見えてきます。
まずは今日、大好きな漫画の1コマを模写することから、あなたの漫画家への第一歩を踏み出してみましょう!陰ながら応援しています。

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